聞思修(Q&A)

  特別篇 「お盆の話」
 

 よく「新盆とは?」と聞かれることもありますが、去年の盆から今年の盆までに亡くなられた方が、初めての盆だから新盆といいます。新盆を迎える家にはよく盆提灯がおくられます。 「家のうちのあわれ あらわに盆灯籠」
 盆提灯を飾るのに、当の喪主の家は白色を求め、親戚や故人の世話になった人は黒や茶色の模様入りを贈るようです。白い提灯は新盆のみに飾り、御送りした後はお寺に納めます。農村のお寺などに本堂いっぱいに飾ってある白いお提灯を見ると何かお盆らしい情緒にうたれます。
 盆の十日頃からお盆棚のお供え物を一斉に街角で売りだします。お盆棚のお飾りとしては、下に敷くマコモ、オガラ等があり、土器(迎え火を焚く)、蓮の葉、ミソハギ(これは束ねて蓮葉の中に水を入れてその上におく)新鮮な果実、野菜等は八百屋で求めてお供えすることです。川柳にも「盆棚や みんな畠の 月たらず」と詠まれていますが、ともかく新しいものを先ずご先祖様にお供えする心構 えが大切なことです。キュウリのお馬やナスのお牛も供えます。「ご先祖様、これ(馬)に乗って早くおいで下さい。おかえりはゆっくり(牛)」といった素朴な願いと受けとりましょう。
 マコモを敷き、笹を仏壇の両端に立て、飾り縄に夏の珍しい青物やソーメンを吊ったり、青果を供えお団子を供える。年に一度の総供養です。心をこめて供えましょう。
 十三日の夕方には迎火をたきます。亡き人々の歓迎の火です。農村ではお寺まで行ってお墓の線香の灯をともらせながら、ついでに盆提灯をつけ、家までその火をかざし、さらにその火でオガラをたいてお迎えします。夜が来れば「盆踊り」の太鼓の音を聞きながら、ソーメンの冷たさを味わったり、ビールに赤らんだ親父の顔に亡き人も共に一家に帰る「心のつどい」が始まります。 「迎え火や 父の面影 母の顔」
 お家に帰った御先祖の御供養にお坊さんが廻って来てお経をあげるのを棚経と申します。都会でも農村でも、お坊さん の姿が忙しく見かけられます。  十六日は送り盆と言って、仏様を御送りして墓参します(十五日にする所もあります)。また、お盆の頃にお施餓鬼会がお寺で行われます。新盆の方は家族のみならず、親戚まで一緒にお施餓鬼供養に参拝して塔婆供養を行います。「新しいみたまがまいりました。先祖代々の御霊さんも仲良く法味を味わって下さい。」という心からです。
 「信心の 母にしたがう 盆会かな」 お盆の行事は懐かしいものです・・・。


Q 赤い鳥居で知られている「お稲荷様」は神社?それともお寺?
A

 赤い鳥居で有名な京都の伏見稲荷神社は、その名前からも神社として有名ですが、愛知にある豊川稲荷は曹洞宗のお寺で妙厳寺と言います。このように「鳥居があるから神社」というわけでは無いのです。

 日本には、仏教が伝来して以来、八百八神(やおろずのかみ)と呼ばれる「日本の神々」と仏教の「仏様」が各地の寺院にまつられています。「神」と「仏」に違いはあるのでしょうか。これは、神は仏の化身となってこの世に現われたものという「本地垂迹思想(ほんぢすいじゃくしそう)」「曼陀羅思想(まんだらしそう)」と呼ばれる思想が長い年月をかけて広がり「神」と「仏」は表裏一体となって信仰されてきたのです。つまり、神社でまつられている「「神」も寺でまつられている「仏」も元は同じということなのです。(明治の始めの神仏分離の政策で「神社」と「寺」に分けられるまでは現在のような「神社」「寺」という様なはっきりとした区別 はありませんでした。)

 ちなみに「お稲荷様」の本地は、荼枳尼天(だきにてん)、すなわち垂迹した形がお稲荷様というわけです。


Q

「ぼたもち」と「おはぎ」は、何が違うのですか?

A

 お彼岸の習慣は、我が国独自の行事として発展してきましたが、その背景には、日本の四季すなわち季節の変わり目が大きく関係していると考えられます。それは、農業の「種まき」と「収穫」とに大きな関係があるとも言えます。
「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように、春彼岸の期間は、農作業が始まる時期で、秋彼岸の期間は、収穫の時期にあたります。
 春の彼岸には、先祖の霊や、収穫をもたらす山の神を迎えるため「ぼたもち」を作ります。ぼたもちは、牡丹の咲く頃、牡丹の花のように豪華に作るモチ。すなわち「ぼたんモチ」なのです。秋の彼岸には、収穫に感謝して、やはり先祖の霊や収穫をもたらしてくれた神に感謝するために「おはぎ」を作ります。赤むらさきのたくさんの花をつける萩の花になぞらえて作る餅。すなわち「萩のモチ」つまり「おはぎ」を作るのです。
普段何気なく食べている「ぼたもち」「おはぎ」の違いがわかりましたか。今度のお彼岸には、是非作ってみてはいかがでしょうか。

おわかりいただけましたでしょうか?
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